野良猫が母になった観察日記

ある日、野良猫が居付いたが、妊娠していた。そして母になった。その記録です。

黒猫来たる 初日

1日目

 昼近く、クーラーの室外機の上になにやら黒い物体が見える。

 よく見ると黒猫である。

直ぐに逃げる様子はないので、雀にあげる為にちぎってあったパンをやると食べる。

煮干しをやってみると、これも食べる。

それじゃあと窓を開けて、家の中にパンと煮干しを置いてみる。

ソロリソロリと入って来て食べている。

食べ終わるとすぐに外に出るが、目の前にいる。他へ行くつもりはないようだ。

首輪はしていない。

栄養不足か目やにが固まっているし、何より痩せている。

まだ大人になり切っていない推定一歳未満と思う。

13:40頃、室内に置いた煮干しとパンを食べ終えて外へ出て行った。

16時頃、お茶を飲んでいると戻ってきたので、煮干しとパンをあげると食べている。

ふと気を抜くと姿が見えないので外へ出て行ったのかと思ったら隣の部屋にいる。

捕まえられるかと思って、窓を閉めるとパニックになったのかどこかに消えてしまう。

風呂場にはいないので2階に上がる。寝室にはいない。

畳の部屋にいた。軽く追い回すとトントンと階段を降りる音がする。

行ってみると居間にいる。

敏捷で捕まえられそうもないので、窓を開けて軽く追うと外へ出る。

怖い思いをさせてしまっただろうか。もう懲りてしまっただろうか

10分もいなかったと思うが、その間一度も鳴かなかった。

スーパーへ買い物に行って17:30頃帰って来ると庭で待って居る。

窓を開けてまた、煮干しとパンを置くと食べに来る。

その後、そっとしておくとその場に座り込んでいる。

暫くすると外へ出るが、見える所でじっと座っている。

ダンボール箱に薄い座布団を敷いて、窓の外に置いて煮干しを数匹入れておく。

すこし経ってから見に行くと、入って寝ている。

夕飯に鶏胸を蒸したので、冷ましてからあげると食べる。

パンやトーフも結構の量を食べたと思ったのに、足りないのかダンボールに入らず窓を見つめている。

夜、覗くと起きているようでダンボールの中からこちらを見ている。

昨日の夜だったか,一昨日だったか。室外機の上から何か落ちるような大きな音がしたのを思い出した。

直ぐに覗いてみたが、何も見えない。

室外機の上にあった菓子の箱が下に落ちていただけだった。

たぶん、黒猫がその上に上がって、滑って落ちたものと推察できる。

何かしら縁を感じるのは変だろうか。

どこからか私のもとに派遣されてきたかのような黒猫。

着かず離れず、そこにいる。

この地に暮らして15年位

その間、庭を横切る猫はいたが、居付くのは初めてである。

何の遠慮もなく、当たり前のように中に入って来て私を見つめる。

派遣されてきました・・・と言う顔で・・・